コラム

Column

『風通しの良さ』が薬局長としてのモットー。
患者さんが気軽に相談できる雰囲気をつくる

かもめ薬局

2024.06.04

かもめ薬局では、地域のみなさまに頼りにされる薬局を目指して、スタッフが日々研鑽を積みながら業務に取り組んでいます。今回は、かもめ薬局三郷店で薬局長として働く入社7年目の安保 恭平さんに、「チームで運営する薬局づくり」について聞きました。

かもめ薬局三郷店 薬局長・管理薬剤師

安保 恭平

「1人でも多くの患者さんに良い医療を提供する」

Q.はじめに、かもめ薬局三郷店のことと、薬局長の業務内容を教えてください。

安保:私が薬局長を勤める、かもめ薬局三郷店は、薬剤師が4人とファーマコンシェルジュ(薬局事務スタッフ)が3人の薬局です。応需処方箋枚数は平均すると1日約90〜100枚ほどで、スタッフ一丸となって業務にあたっています。

当薬局は、外来業務と在宅業務の両方を実施しており、日によって応需する処方箋の枚数がまちまちなので、業務が円滑に進むよう、うまく役割分担しながら業務を完了させることが重要となります。自分自身も調剤や服薬指導、さらに訪問指導業務を行いながら、薬局内が円滑に回るよう目配りをしています。

数字の管理も管理薬剤師の仕事の1つです。ノルマがあるわけではないですが、前年の処方箋の枚数や売上を分析したり、取得できる加算をしっかり取得していくよう、考えています。

例えば、スタッフ全員で協力して取り組んだ結果、今よりも1つ高い点数の調剤基本料が算定できるようになったことがありました。立地の影響もあり、特定の医療機関からの処方箋比率が高いことが当薬局のネックでした。

そこで、他の医療機関の処方箋も持ってきてもらえれば一元管理できることを患者さんに改めて説明したり、LINEで処方箋を送るサービスの周知を高めるなどした結果、複数の医療機関からの処方箋を増やすことができ、87〜89%だった集中率を81%にまで下げることができました。

目標を掲げて達成することでスタッフみんなが一丸となれたことがとても嬉しかったですね。患者さんからは、「LINEで処方箋を送ることで家の近所の薬局で待ち時間なしで薬を受け取れて助かる」などの声もいただきました。気軽に立ち寄ってくれる患者さんが増え、薬局の雰囲気づくりにも役立ちました。


「チームで働く環境づくりは薬局長の重要な業務」

Q.薬局長として、スタッフをまとめるための工夫や職場の雰囲気作りのために心がけていることはありますか?

安保:“風通しのよい店舗にしたい”というのが、私の薬局長としてのモットーです。ですから、何かあったときには気軽に相談してもらえるように、スタッフ一人ひとりに接しています。

誰かと一緒に働くときには、「本当はこう思っているけれど、伝えづらい……」など、モヤモヤした気持ちを抱えてしまうこともあるでしょう。それぞれ性格も考え方も異なるので当然です。管理者としては、視野を広くもち、スタッフの気持ちを察して些細なことにも気づけるよう心がけています。

ほかの人の意見を尊重することで、自分には足りないところに気づかされ、刺激をもらえると思っています。

最終的に薬局内の風通しの善し悪しは、患者さんの反応がバロメーターになっているように感じています。スタッフ同士の関係性がよければ、患者さんが健康面・心情面でのお悩みや相談を気軽にしてくれるようになりますから。



Q. 患者さんとのやりとりで印象に残っているエピソードはありますか?

安保:当薬局をかかりつけにしてくれている高齢女性患者さんで、夫と2人暮らしの方がいらっしゃいます。脳梗塞の既往があり、慢性腎臓病などがある夫の介護をしており定期的に夫の薬も受け取りに来ていました。少しずつ自分のことを話してくれるようになり、先日、「こうして毎月薬局に来て、薬剤師さんとお話しができる環境があるのが非常に助かっているのよ」と、涙ながらに話してくださったことがありました。
医師にも家族にも言えない悩みやつらさを抱えていて、それを吐き出すことができる唯一の場所が、この薬局なのだそうです。

私たち薬剤師は、患者さんにとって“一番身近な医療従事者”なのだと改めて感じさせられました。この患者さんとお話しするなかで、薬の専門家として“病を小さくする”手助けをしながら、同時に“心の負担を小さくする”こともできるのが、薬剤師の仕事の素晴らしさだと痛感しました。薬局薬剤師ならではのやりがいだと思います。

「患者さんに寄り添える薬局を目指して」

Q. 「かもめ薬局三郷店」をもっと良い薬局にするために、これからの展望などをお聞かせください。

安保:一番身近な医療従事者として患者さんに寄り添える薬局を目指していきたいと思います。地域の方に、“薬に関することはすべて、かもめ薬局だけで完結できる” と知ってもらいたいと考えています。

薬局内では、スタッフ一人ひとりに適切なサポートをしていきたいですね。たとえば、3年目の薬剤師が精神科専門薬剤師の取得を目指しているので、精神科の患者さんが来局した時には積極的にその薬剤師に服薬指導してもらうようにしたり、その分野のセミナーなど学びにつながる機会を見つけたら紹介するなどしています。

かかりつけ薬局として頼りにしてもらえる存在になるためにも、これまで以上に風通しのよい店舗にしていきたいですね。

Q. 最後に、トライアドジャパンで働くことの魅力を教えてください。

安保:団塊の世代が後期高齢者となり、在宅医療を受ける患者さんが爆発的に増える2025年は目の前です。薬局薬剤師として働く上で、これからは在宅に関するスキルは必須といえるでしょう。

トライアドジャパンでは、在宅業務に力を入れており、どこの店舗へ配属されても在宅患者さんを受け持つことができます。また、1年目や2年目など早い段階から在宅を経験できるのでスキルアップにつながります。

私は店舗運営で「風通しの良さ」を大切にしていますが、これは会社全体を通じて感じていることでもあります。ときには本社の役職者が店舗に手伝いに来てくれることもあり、現場の声が届きやすい社風です。

東京・神奈川・埼玉で展開しているグループですから、勤務エリアがある程度限定されているのも、特徴的かもしれません。異動があっても引っ越しが少なくて済むので、一人暮らしの方はもちろん、ご家族と暮らしている方も、比較的負担が少ないのも魅力だと思いますね。

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